2 months ago

「希望をなくした人々に語りかける歌が僕にはひとつもない」 地震と津波は震源地から遠く離れた僕の心をも奪っていった。僕はそれから何年か何をライムすればいいかわからなくなった。今まで自分がしてきたことの意味が全くないような、自分に生きる価値がないような空っぽの気持ちになった。他者を蹴飛ばし嘲笑い大見栄を張ったFLEXになんの意味があるのだろう。それは本当の僕なのか。違う。それは僕が愛したエンタメだ。では本当の僕とは？もともとの僕とは。それまでの当たり前に疑問を抱き、僕の脳は新しく知識と経験をを求めていた。 僕を変えた震災から13年。311を知らない子どもたちがもう中学生になろうとしている。僕はあの日生まれ変わった。今自分に笑いかける息子、娘。彼らに僕と妻は語り伝えていかなければならない。僕と妻は国のトップのように家庭を運営しなければならない。小さな輪、最小のコミュニティ。ここから平和を始めるのだ。シンプルにミニマムに誠実に。目の届く範囲から僕たちは愛を回す。愛を繋いでいく。それがいつしか世界を変えると信じたい。希望の炎。それは僕らの内側にしかない。 僕は13年前の今日から自分の中に渦巻き続けている違和感や疑問をこれからも追い続ける。終わらない反抗期は向かう対象を変え今も僕の中に息づく。たくさんの嘘が僕たちをがんじがらめにしても同じように目覚めた仲間が世界中にいることを知ってる。真っ暗な夜に孤独が襲うだろう。それでも僕は、あなたは1人じゃない。あの日消えた命に手を合わせ、僕らは今日を生きるのだ。 #311 #東日本大震災